ボノとビル・ゲイツの共同声明

 2005年1月8日の朝日新聞にボノとビル・ゲイツの共同声明が掲載されていた。先進国の指導者(日本を「指導」しているのは誰だ?)に対して、以下の4点の実施を主張している。
 ・対外援助額の倍増
 ・貧困国の債務帳消し
 ・貧困国の自立に向けた不公平な貿易ルールの変更
 ・HIVワクチンの開発を協力して推進する組織への資金提供
そして、2005年を「貧困にあえぐ人々のために未来を変えようと、世界がついに本気で取り組む年」にしようと訴えかけているのだ。
 特に異論はない。しかし、HIV対策はともかく、援助倍額や債務帳消しにし、不公正な貿易ルール(正確にはどのようなものを指しているのだろうか?)を改めたとしても、それで貧困国の問題が解決するとは思えない。最も必要なのは貧困国に産業を育てることであり、そのためには人材育成を支援する仕組みも必要だ。つまり、金やルールではなく、産業と人。具体的にどういう産業を育て、どういう人を育てるのかというビジョンがないままに、どれだけ資金をつぎ込み、ルールを整備しても、結果はでないのではないだろうか。
 だからこそ、先進国指導者(? やはり引っかかる言葉だ)にはボノやビル・ゲイツの提案を超える活動をしてほしいと思う。長期的な視点で貧困国を成長に向けてサポートしていくスキームを構築して欲しいと思う.