リリ・ボニッシュ亡くなる

 webをつらつらと眺めていて、そう言えばリリ・ボニッシュって来日しないのかと思い検索してWikipediaに行き着いたのだが、リリがついこの間の3月6日に亡くなっていたことを知った(こちらを参照Lili Boniche - Wikipedia)。1921年生まれなので86〜7歳。
 リリはとても大好きなミュージシャンであり、上記wikiではディスコグラフィとして3枚『Œuvres récentes』『Il n'y a qu'un seul Dieu』『Trésors de la chanson』しか挙がっていないが、これら以外に『ALGER ALGER』『LILI LIVE』『BONICHE DUB』の3枚、合わせて6枚を僕は持っている。初めて出合ったのが10年近く前のはずで、『ALGER ALGER』をジャケ買いしたことからの付き合いだ。ユダヤアルジェリア人という意味では盲目の女性歌手レネット・ロラネーズがいるが、彼女のほうは10年前の98年に亡くなっている。レネットも好きなのだけれど、知った時には亡くなってしまっていたので、僕としてはすれ違ってしまった感が強い。だが、リリにしてもこの10年間待ち続けたのだけれど、結局は生で見る機会もなく、うまく出合えなかったような感覚が残る。。。
 上述の通り、初めて出合ったのがそのアルバムだったこともあり、一番よく聴くリリのアルバムは『ALGER ALGER』だ。今も聴き直している。一曲目の表題曲「ALGER ALGER」から衝撃的だった。マグレブ的な異国情緒が物狂おしく漂いつつも、ライのある種の「泥臭さ」をそぎ落としたような音楽に一発でやられた。とても70歳を過ぎた男の声とは思えず、声を震わせるこぶしも力強くしっかりしていて、枯れだの枯淡だのを売り物にしていない。ただ音楽性の素晴らしさだけでが伝わってくる。
 
以下の映像を見ていると、少し衰えは感じられるが。
Lili Boniche - Alger Alger - YouTube