2004-01-01から1年間の記事一覧

年末にまさかこんな傑作に出会うとは!

デビッド・バーン / グロウン・バックワーズ もう今日は疲れたので、詳しくはまた今度(と言いつつ、これまでいくつも書きそびれているが)。しかし、やはりデビッド・バーンはすばらしい! 今年の個人的ベストかも。

ミステリーの楽しさって改めて何だろうかと思う

法月綸太郎『生首に聞いてみろ』(角川書店) 思ったほどおもしろくなかった。本格ミステリーが魅力的な謎を描くものだとすれば、そもそも今回の謎はあまり魅力的ではない。しかも、謎を構成する基盤となっているトリックそのものがあんまりと言えばあんまり…

何かを見るかのように音を聴く

HAROLD BUDD with ZEITGEIST / she is a phantom アンビエントの雄、ハロルド・バッドの94年のアルバム。この曲はツァイトガイストのために作られたものであり、バッド自身はピアノと朗読で参加。 音響をベースにした内省的な音作りはアンビエントの定石だが…

警察国家化が明らかに進んでいる。

むかつく。しかし、著名人だから表ざたになるが、そうではない大多数の被害者が存在しているに決まっている。 http://www.liberal-shirakawa.net/idea/policestate.html

凄絶なる剣法漫画

平田弘史『血だるま剣法・おのれらに告ぐ』(青林工藝社) 1962年に貸本誌『魔像』の別冊として発表されたものの、部落解放同盟からの抗議を受け、40年以上に亘り絶版状態だった作品の復刊。呉智英の解説も充実している。 漫画は好きなものの特に歴史的に追…

深き淵より私は叫ぶ

クロノス・クァルテット/ ベルク「抒情組曲」 昨年出たクロノスの結成30周年記念アルバム。「抒情組曲」と言っても、抒情的なメロディが奏でられると思ったら大間違い。新ウィーン学派らしい抽象的な音の響きを中心に構成されている。モチーフとなっているの…

石田衣良『波の上の魔術師』(文春文庫)

バブル期に欠陥だらけの金融商品を勧めて老人達から財産を盗んだ大手都市銀行に対し、ビッグディールを仕掛け、復讐する話。リーダビリティが高く、あっという間に読めてしまうが、なかなかおもしろい。

もうすぐ正月休み

あと1週間ぐらいで正月休みに突入する。だが、今年の休みは非常に短く1週間しかない。早く休みに入って欲しいと思うものの、実のところ休みに入ってしまえば実のところ1週間なんてあっという間だ。今週1週間のようにあっという間に過ぎてしまうに違いない…

訳の分からない日本語の力 その3

ヤプーズ / ダダダイズム 「訳の分からない日本語」という意味では、やはり表題曲である「ダダダイズム」や、訳の分からないロシア語を交えつつ「生き残ってあなた、のさばってあなた」と歌う「VIP 〜ロシアよりYをこめて〜」などを選ぶべきかもしれないが、…

恐るべき医者 その2

僕はこれまでそれなりに医者に恵まれていて、自分が処方した薬から離れられなくなってしまった患者のことを例に出して、「ああいうのを生ける屍っちゅうんやね」と言いきった医者とかもいた(笑)。

恐るべき医者

ここ数ヶ月間、左眉すぐ下の部分が痒くて、掻いて、じゅくじゅくになって、乾いてパリパリになって痒くなり、掻いて、じゅくじゅくになって、乾いてパリパリになって…と繰り返していたのだが、仕事にも余裕が出てきたので、先日、意を決して医者に行った。 W…

美しきトランシルバニアの調べ

ムジカーシュ / ブルース・フォー・トランシルバニア 1990年のムジカーシュのアルバム。『バルトーク・アルバム』でも競演しているマールタ・セベスチェーンもボーカルで参加している。ルーマニア領トランシルバニアはハンガリー人たちにとって馴染みの深い…

井上篤夫『志高く 孫正義伝』(実業之日本社)

止むを得ないことなのかもしれないが、基本はちょうちん伝記。ひたすら孫のよいしょに走っている本ではある。内容の吟味も足りないし、構成も下手だ。だが、予想以上におもしろかった。 孫ほど毀誉褒貶の定まらない実業家は珍しい。もちろん、彼が何をやって…

訳の分からない日本語の力 その3

上野耕路、久保田真吾 / 捏造と贋作 元8カニブンノイチの二人による1999年のアルバム。とりあえず1曲目の「密林快男児」を。 土人を率いて 先陣立って 悪しき白人 野望を下す オーオニバスを次から次へと 飛びうつるのはまるで源義経か! 秘密結社の水晶玉…

昨日のエンケン話に追加

昨日、書き忘れたけれど、浦沢直樹『20世紀少年』の主人公ケンヂは苗字を遠藤と言う。もちろん、我らがエンケンがモデルとなっているのだ。孤高のミュージシャン、エンケンは世界を救えるのか!?

訳の分からない日本語の力 その2

遠藤賢司 / 夢よ叫べ 昨日のブログに触発されて、訳の分からない日本語の力シリーズをしばらく続けてみることする(笑)。『夢よ叫べ』は1996年に発売された狂気のフォークシンガー、エンケンの奇跡の復活アルバムだ。特に冒頭2曲の血管がぶち切れるテンション…

ウィリアム・シェイクスピア『ヴェニスの商人』(白水社)

本当に久しぶりに再読。しかし、やっぱり現代人の目からはどいつもこいつも野蛮人に見えるなぁ。ヒロイン(?)のポーシャなんて、裏で陰口ばかりたたいている嫌な女だ。 もともとこの作品は喜劇として作られたものだが、18世紀に獰猛なる悪役としてのシャイ…

日本社会はどこまで危険になったか?

「日本社会はどこまで危険になったか?」という座談会(重松清、河合幹雄、土井隆義、宮崎哲弥)を読みたくて、『諸君』平成17年1月号を買ったのだが、やはり『諸君』はすごい雑誌だ。「地震と中国が怖くて『政治』がやれるか!」(石原慎太郎+佐々淳行)、…

訳の分からない日本語の力

町田康+The Glory / どうにかなる 久しぶりにブログを書くため、前回のものを読み返したらROSSOについて書かれていた(と、自分で言っているのもおかしいが)。聴覚と視覚の混乱について書いてあったが、それを読み返して思い出したのが町田康+The Gloryの『…

またまた更新期間が空いてしまった

最近は死ぬほど忙しかったので、またまた更新が滞ってしまった。一昨日に至っては完徹。明らかに以前よりも体力がなくなっていて、朝の3時ごろに会議室で企画書の原稿を書くためのボールペンを握り締めながら、いつのまにか眠りに落ちてしまい、5分後くらい…

来年春のR.E.M.来日公演のチケットを入手

むふふ。

他人の給料袋

『プレジデント』2004年12月13日号で主要3684社の平均年収ランキングが載っていた。テレビ局ってなんであんなに給料が高いんだ!? トップのフジテレビは社員の平均年収が1500万円…。

これで「考える力」が身につくか?

日下公人、堀紘一『考える力が身につく本』(PHP) 堀が言うイスラエル問題の解決方法 1.12億人のイスラム教徒を消す → 気が遠くなるくらい大変なのでありえない 2.イスラエルを中東から移動させる → ○ これら1と2以外の解決法を提唱する人は中東の歴…

『夕凪の街 桜の国』情報

2004年11月14日の日記で触れた『夕凪の街 桜の国』だが、やはり話題になっているようだ。先日の日曜日(2004年11月28日)の朝日新聞の書評欄で南信長(って誰だ?)が紹介していたし、今号の図書新聞(2004年12月4日)ではベイベー関根(って誰だ?)が触れ…

今年最高のロックアルバムを待ちながら

ROSSO / 1000 Tambourines / Outsider ROSSOのシングル2枚をカップリングしたアルバム。ROSSOは元ミシェルのチバユウスケ(Vo & G)、元ブランキーの照井利幸(B)の二人に、なんと元フリクションのイマイアキノブ(G)と佐藤稔(Dr)が加わった新バンドだ…

THE DUB SCHOOL SPECIAL vol.2 @RADIX (2004/11/27)

目当てはまたもやMighty Massa(笑)。なんか今年はMighty Massaのイベントによく行ったなぁ。相変わらずのニュールーツ系のダブダブでいとおかし。 ただし、今回は2時ぐらいから始ったkilla sistaのライブもなかなかおもしろかった。killa sistaについてはRAD…

U2『ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』

4年ぶりの新譜。前作の延長線上にあるものの、明らかに前作を超える出来栄え。U2ロックが炸裂。まだ聴きこんでいないので詳しい感想は書かないが、やはりU2は偉大なバンドだと思う。

3人の女性アーティストのアルバム

・k.d.ラング / ヒムズ・オブ・ザ・フォーティーナインス・パラレル ・ザップ・ママ / アンセストリー・イン・プログレス ・ジョーン・オズボーン / ハウ・スウィート・イット・イズ 先日、以上のアルバムを購入。特に共通点はない。タワーレコードでは、売…

原爆漫画の傑作『夕凪の街 桜の国』

身も蓋もない言い方をするならば、こうの史代『夕凪の街 桜の国』(双葉社)は原爆漫画の傑作だ。まずはこの端的な事実を認めよう。そうでなければ、作者の大胆な試みの価値を切り下げてしまう。 後書きによれば、作者自身、広島に生まれ育ちつつも、これま…

微妙な分裂を抱える「ウォッチング・ユー」

ザ・シャーラタンズ / アス・アンド・アス・オンリー 良いアルバムなのになぜかいまひとつ売れずないアルバムがある。例えば、R.E.M.の『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイファイ」。個人的にはR.E.M.のなかでも最も好きなアルバムと言ってもいいくら…