今年最高のロックアルバムを待ちながら

ROSSO / 1000 Tambourines / Outsider
ROSSOのシングル2枚をカップリングしたアルバム。ROSSOは元ミシェルのチバユウスケ(Vo & G)、元ブランキー照井利幸(B)の二人に、なんと元フリクションイマイアキノブ(G)と佐藤稔(Dr)が加わった新バンドだ。そう、新バンドと言っていいと思う。それぐらい元フリクションの二人の加入は強力なのだ。フリクションの『ゾーントリッパー』は強烈なギターグルーブが忘れられない名作だが、そのギターとリズムを支えた二人が加入したことにより、手が付けられないぐらいに凶暴なロックバンドになってしまった。
彼らのすばらしさをどう言葉にすればいいだろうか。例えば、「1000のタンバリン」には次のような歌詞がある。

そして見上げれば1000のタンバリンを
打ち鳴らしたような星空
だから、ベイビー
僕はどうしたらいいとか
そんなことなんて知りたくはない
だって見上げれば1000のタンバリンが
1000のタンバリンが

疾走するギター、ドラム、ベースの爆音のなか、満天の星空という視覚的なものを1000のタンバリンという聴覚的比喩でチバが叫ぶ。聴いていて生じる眩暈のようなこの感覚の混乱! さらに、「僕はどうしたらいいとか、そんなことなんて知りたくはない」というノーフューチャーな刹那的衝動。
陳腐な言葉になってしまうが、ROSSOの音楽は圧巻のロックンロールとしか言いようがない。そして、来る12月8日には彼らのセカンドアルバムが発売される。買うべし!