『週刊文春』その2

 読んでみると、今号の『週刊文春』はなかなかおもしろい。
 匿名報道の主張で有名な浅野健一がセクハラで訴えられている記事だとか、堀越学園の1985年卒業の3年D組が本田美奈子以外にも、「元わらべの倉沢淳美高部知子、自殺した岡田由紀子、アイドル歌手だった長山洋子いしのようこに南野洋子、宮崎ますみ永瀬正敏や、歌舞伎役者の片岡孝太郎、先日松平健と結婚した松本友里子」などを輩出し、一番の人材の宝庫だと言う記事だとか、様々な飲食店や不動産投資、株の運用や外貨預金なども行っている島田紳助の30億円の財産目録だとか。
 浅野健一のセクハラ記事は残念だ。僕は彼の著作を何冊か読んだことがあり、匿名報道の導入を主張する『犯罪報道の犯罪』シリーズや松本サリン事件の冤罪報道を追及する諸作、あるいは大使館の悪行を暴露する『日本大使館の犯罪』などは興味深いと思っていた。だが、それと大学内のセクハラは別問題だ。匿名報道の導入を主張する彼がセクハラ疑惑で実名報道されるというのも皮肉なものだ。
 ちょうどいま読んでいる東浩紀・編著『波状言論S改』において、宮台真司が次のように語っている。「『援交していそうなオヤジが偉そうに政治を語るという『政治を語る人間のお粗末さ』」。まさにこれに当てはまる事例だと言われても仕方あるまい。やはり日本は、「政治政治と騒ぐバカほど、人格的資質ゆえに『政治から不自由』な未熟児に見えるという構造から、逃れられない」のだろうか*1
 

*1:ちなみに、『週刊文春』で報道されているような権威主義的バカマッチョな彼のセクハラ行動は、僕の偏見に満ちた全共闘世代イメージそのものだ。