『THE21』の評価について

過去に月刊誌『THE21』がおもしろいというような日記を書いたことがあるが訂正。完全な気のせいでした。
2004年9月号の特集は「プチ金持ちになれる『早朝&週末』革命」。タイトルは大げさだが、何のことはない時間の隙間を見つけて小金を稼ぎましょうというお話。志が低すぎ。「受信するだけでポイントが貯まり換金できるメール」だとか、「アンケートにネットで回答してお金をもらおう」とか、「サイト内の広告をクリックしてポイントを貯めよう」とか…。くだらない。
こんなことにあくせくするぐらいなら、自分の本業のスキルアップに注力するほうが長期的リターンを考えると圧倒的に有意味に決まっている。
ちなみに、次号の予告は「『バタバタ貧乏』をやめて『ラクラク金持ち』になれる方法」だとか…。もうこの雑誌もおそらく読むことはないだろう。この手の楽して儲ける話がいろいろ出てきているところをみると、結局のところ「バブルの夢をもう一度」というところか。

いま聴いている音楽 Miya

Miya / Globe in Motion
ジャズ・フルートの期待の新人miyaは既に多方面から注目されているので知っている人も多いかもしれない。フルートという楽器については僕は詳しくない。知り合いにフルートを習っていた人がいるので、その人の発表会を聴きに行ったことがある程度。ましてや自分でやってみようなどとは思ったことがない。何しろ非常に高価な楽器なのだ。もっとも安いもので7〜8万円くらいかかり、それなりのものを買おうとすると数十万円もする。これでは気楽に始めるという訳にはいかない。いや、率直に言えば、フルートという楽器は音楽的な表現の幅が非常に狭いと勝手に思い込んでおり、興味がなかったというのが本当のところ。単に美しいという以上の音楽をフルートで作り上げることは、想像以上に困難なのではないだろうか。
だが、miyaのアルバムを聴いて考えを改めた。水谷浩章のプロデュースというだけでもそれなりの期待をしてはいたのだが、期待以上の出来栄え。楽曲群が湛える空気感は非常に新鮮だ。フルートという楽器が奏でる音色は良くも悪くも軽やかだが、miyaの音色は良い意味での軽やかさが全面展開されており、「音の深み」などという虚構からは限りなく遠い。かと言って、フルートの美しい音色に頼り切って、牧歌的な叙情性などに流されてしまうこともない。すべてが明瞭な音において、ごまかしなくメロディが展開され、フルートの音色は意識の上をひたすら滑空していく。意識は陶酔することなく、覚醒したままだ。現代的な楽器としてのフルートの可能性を展開した正統派ジャズと言えるだろう。ぜひライブを見てみたい。