FUJI ROCK FESTIVAL 初日 2004/07/30

●回遊ルート
ブリティッシュ・シー・パワー(Green)を15分ぐらい見て、LITTLE TEMPO(White)へ。その後、散歩がてらにバンバンバザール(Heaven)をチラッと眺め、赤犬(Orange)を少し見て、そのまま日陰で昼寝。目が覚めたら、田野城寿男(Orange)だったが、そのままHeavenに行き、The Miceteethを10分くらい。終了後にまたOrangeに引き返して、思い出波止場2020 featuring DJおじいさんを通しで見る。その後、ビギン(Heaven)を通り抜け(ちょうど「恋しくて」をやっていたので、それだけ聴いた)、Char(White)を横目に、ザ・ルースターズ(Green)へ。しかし、すぐさまWhiteに引き返し、本日のお目当てオゾマトリオゾマトリを終了後はすぐさまGreenに向かい、PJハーヴェイ(Green)を20分くらい。あとはそのままGreenで、ピクシーズ。終了後に少しだけ、スーパーカー(Red)。また戻ってルー・リード(Green)。
通しで見たのは、LITTLE TEMPO、思い出波止場、オゾマトリピクシーズルー・リード

●感想
BRITISH SEA POWER
15分ぐらいだけしか見ていないので何ともいえないが、悪くない。ジョン・ライドンばりの奇声張り上げはグッド。
LITTLE TEMPO
先日の名古屋公演もよかったが、今回も快調。特にスティール・パンが山のなかで響く感じはフェスならでは。フジロックだなぁと実感した一瞬。オープニングに相応しく、ノリのいい曲で構成されていた。
・思い出波止場2020 featuring DJおじいさん
実は思い出波止場を生で見るのは初めてだったのだが、想像以上に感動。基本は轟音ノイズにMCが加わる形式だが、まぁMCはともかく、豪腕ミュージシャンたちの一筋縄ではいかない演奏が圧倒的。遠目で見たのではっきりと見えなかったのだが、あのドラムはおそらく怪物変拍子ドラマーの吉田達也。昔はよく見に行ったんだよなぁっと、遠目をしてみたり。
PJ HARVEY
PJ姉さんも悪くない。後半20分ぐらいしか見てないせいか、暗くてたまらない曲はなく、ロックよりの曲ばかりではあった。ただし、途中から見たせいなのか、後ろで座って見ていたせいなのか分からないが、実は今ひとつのめり込めないもどかしさを感じはした。彼女はビョークと異なり、野外にあまり向いていないのかもしれない。ビョークの歌が無邪気な天使の残酷なさえずりだとすれば、PJのそれは神経症的な娼婦の屈折した優しさの叫びだ。ビョークの歌が天を目指すとすれば、PJの歌は地べたを這い回っている。PJは開放感のある野外ではなく、暗いライブハウスのなかでこそ見てみたい。
Pixies
伝説のピクシーズ。あんなに人が集まるとは思っていなかったが、これがやはりすばらしいのだ。元祖グランジ。意外に淡々とした印象のボーカルと轟音の不思議な取り合わせ。ぜひ単独公演も希望。
LOU REED
相変わらずの演奏ではある。スローなギターに淡々とした歌。ここにはピクシーズのような轟音もなければ、PJハーヴェイのような叫びもない。だが、実のところその圧倒的な凄みは彼らを軽く凌駕してしまっている。歌の内容を問わず彼の音楽は、彼のギターの響きと歌声は、孤独そのものだ。この孤独に本当に耐えられる人など果たしてこの世にいるのだろうか。雨が降ったり止んだりを繰り返す夜空の下で目を閉じて聴く。甘い感動すら起きはしない。この世のものとは思えない乾いた孤独の極北。恐るべき音楽。
・その他
バンバンバザールはほのぼの系。赤犬は何ともいえない(笑)。まぁパンツ(ブルマ?)一丁の男どもがとにかく元気ではあった。The Miceteethはまったり系スカ。

●本日のベストアクト OZOMATLI
なんと言っても本日はオゾマトリだ。人種の坩堝LAのストリートの空気を思いっきり吸い込んだミクスチャー音楽。ベースとなるのはラテンロックとヒップホップだが、中近東、ユダヤ、日本など世界中のさまざまな音楽が溶け込んでいる。しかも、強力なメッセージ性を有しつつ、それ以上にグルーブ感を重視した横ノリ系ダンス音楽になっている。ケッツァルと言い、僕はこの手の音楽に非常に弱い*1
そもそも"オゾマトリ"とはアステカの"踊りの神"を意味する言葉だ。その名の通り、観客をしなやかに躍らせる。力強い演奏に観客は励まされ、全員が楽しそうに踊り続ける。最後はなんとメンバー全員がステージを降り、観客の海の中に入り込んできた。観客の"オゾマトリ"という連呼の中に溶け込んでいく。彼ららしいストリート感覚あふれる感動的な光景に、不覚にもついほろり…。OZOMATLIを再度呼んで欲しい!

●本日のベストフード 豚汁
宿に帰る途中、寒い雨のなかで買って食べた豚汁。うまかった。

●本日の心残り
The Blind Boy's of Alabama、Buckethead's Giant Robot、東京事変Basement Jaxx

*1:ケッツァルについては2004年5月26日の日記を参照。