朝霧JAM2004年10月2日〜3日 昨日の続き

MOGWAIについて。MOGWAIはCDを視聴したことがあるぐらいで、深く聴きこんだことがなかったのだが、生でライヴに接してみて、やはりピンとこなかった。あまりにも普通の音楽だ。
彼らの音楽は音響派的な音を轟音で鳴り響かせることが最大の特徴になっているのだが、ただひたすらにセンチメンタルだ。音響派が、少なくとも最良の音響派が無機的な音の響きのなかに、何物にも還元されない音そのものの可能性を開示しようとしているとするならば、MOGWAIの音楽はあくまでも感傷的な響きへの感情移入をキモに構築されている音楽であるにすぎない。そのため、轟音でありつつも、万人受けするただの心地よい癒し系の音楽となってしまっている。
あえて言うならば、轟音による異化が有効に機能する瞬間があるのかもしれない。しかし、今回の朝霧では残念ながらその轟音も大したことはなく、そのため、彼らの音楽に過剰さを見出すことは難しい。まぁ、彼らにそうしたものを求めることが筋違いなのかもしれないのだけれど。