ピエール=ローラン・エマール / ラヴェル:夜のガスパール、カーター:ナイト・ファンタジーズ他

 エマールによる「夜のガスパール」に驚嘆! ラヴェルの「夜のガスパール」と言えば、ポゴレリチの文字通り「恐るべき」演奏が決定版だと思っていたのだが、エマールもすばらしい! ポゴレリチの演奏は何といっても「2.断首台」の恐ろしさが特徴的だが、エマールの演奏は「1.オンディーヌ」における夜の光きらめく音の飛沫が圧巻だ。「断首台」ですら、非常に透明度が高い。エマールはやはり印象派の演奏において最も本領を発揮するのではないか。
 もうすぐポゴレリチもエマールも来日する。そして、エマールの公演ではこの「夜のガスパール」も演目に入っているのだ。待ち遠しい。

ラヴェル:夜のガスパール

ラヴェル:夜のガスパール