バーナンキ祭り

 おもしろい。と言うか、こういう表現が適切かどうかは分からないが、カノ国の中央銀行の新しいトップにここまで萌えることができるというのはある意味すごい。経済学者に対してもファン心理が機能するというのは、以前には考えられなかったのではないか。
 だが、優秀な人材の登用に対して、しかもカノ国における登用に対して、かくも好意的に受け入れられるというのは、その背景として、自らに対する不遇意識を強く有しているということはないだろうか。ある種の英雄待望論がいたるところに蔓延しているということではないのだろうか。もしそうだとすれば、あまりおもしろがってもいられないのではないか。一人の人間の登場によって世の中がよくなることなどありえはしないし、そもそもこれはあくまでカノ国の中央銀行トップ人事の話にすぎないのだ。そう、あくまで人事ネタだ。
 まぁ、祭りに参加している人たちの多くは優秀な人たちであり、実際、自分たちは分かっててそうやっているのだと言うだろうから、これは野暮な話ではあるし、そもそも結局のところローカルな話でしかないのだけれど。