ポータブル・オーディオを巡って

 先日、久しぶりに飲んだ人との会話で、その人が初代iPodを持っていることを知ったのだが、さらに話を聞くと、iPodが重いのでSONYのネットワーク・ウォークマンを買ったのだが使いづらくて、結局はiPodを使っているとのこと。
 僕は初めにSONYのネットワーク・ウォークマンを買い、今はiPod nanoを使っているのだが、やはりSONYAPPLEはユーザーがかなりかぶっているのではないだろうか。単なる実感ベースに過ぎない話だが、要するにSONYAPPLEに客を取られているということ。
 iPodの便利なクリックホイールは、SONYのジョグダイアルから発想したのではないだろうか。こうした言わばアナログ的なインターフェースは非常に使いやすいのだが、APPLEGUISONYのジョグ・ダイアルがその好例だろう。
 ところで、これでAPPLEがポータブル・オーディオの領域で安泰かと言えば、まだそうとは言えない。ソフトを押さえに掛かっているのでかなり優勢ではあるものの、ハード面でもまだまだポータブル・オーディオの世界には改良の余地がある(ソフト面の課題はとりあえず検討しない)。
 第一に軽量化。iPod nanoぐらい小さくて軽ければ特に問題はないとは言え、まだまだ軽量化の余地はある。ちなみに、最近SONYがノートPCの新型VAIOについて、更なる薄さをアピールしていたのはなかなか良い。ノートPCの軽量化・コンパクト化のニーズは依然として大きい。第二にインターフェース。これについてはiPodもまだ完成形にはほど遠い。事実、クリックホイールひとつ取っても、これではまだジョグダイアルの方が使いやすい。第三にケータイと同様、バッテリーの改善。これは改良の余地が最も大きい。そして、第四にデザイン。これは常に改良の余地ある領域ではあるが、デザイン勝負の段階に入ればそれは既に市場が成熟しているということであり、価格競争も厳しくなっているだろうとは思う。なので、第五にもちろん価格。おそらく2〜3年以内に、ポータブル・オーディオの世界は1万円を切ることが常態化しているはずだ。そのため、第六として機能性もさらなる重要性を帯びてくるだろう。機能性部分のアイデアはまだまだ不足している。価格を引き上げても良いと思えるような機能付加の余地が必ずあるはずだ。