学歴差別について

 本田由紀さんのブログが炎上しているが、僕も本田さんの見解はおかしいと思う。企業はできる限り優秀そうな人間(実際に優秀かどうかは入ってみないと分からない)が獲得できれば良いのだから、それが有名大学からであろうが無名大学からであろうが構わない。単にどちらが効率的かというだけの話にすぎない。むしろ、無名大学にも優秀な人間がいるのは事実なのだから、そういう人を発見し企業に紹介できるシステムを作ることができれば、かなり重宝されると思うので、誰か開発してください。
 それはともかくとして、学歴は以前ほど重視されなくなってきていると思う。例えば、上司に部下の出身大学を知らせないようにしている企業は予想以上に多いはずだが、実のところこの方が企業にとって合理的でもある。少なくとも一度企業に入ってしまえば普段の活動で実力は明らかなのだから、学歴にはほとんど意味がない(とは言え、もちろん普通にコミュニケーションをしていれば学歴情報ぐらい知れ渡っているのだけれど)。
 過去の学歴どころか、昇進時等に受験させられるリクルート製MAT試験(NMATやJMAT)の学力結果ですら、確かに評価の一因にはなるかもしれないが、実のところ昇進/昇格など普段の勤務状況でほとんど決まっている(もちろんMAT試験がよほど悪ければ別)。学歴に比べれば、性差別(女性のグラスシーリング問題)の方がまだまだ解消が遅れている。
 では、入社の際の学歴スクリーニングはどうか。これも完璧に機能していないのは明らかだ。例えば、実は僕もよく面接をするのだけれど(例えば、このエントリこのエントリを参照)、その際に次の段階に進ませる人は大学名などでは選ばないし、ある程度まともな企業ならそうしたやり方は浸透してきていると思う。もし実力よりも学歴意識が強い企業があるとすれば、それはそういう企業なのだから仕方がないし、無理してそのなかに入ることはその人にとっても良くない。ただし、学歴意識の強い企業が悪いとは言えない。googleなんて、博士号を取ってないと入れないのだ。