今日のお買い物

 買ったものや読んだもので書いていないものはかなり多くて、書いていない理由も特にないのと同じように、たまたま今日買っただけものについて触れる理由も特にないのだけれど、今月号の『ユリイカ』で吉田健一特集だったのでつい購入した。なぜ吉田健一なのかと言えば、来年が歿後30周年なのだとか。来年リバイバルが起こるとも思えないけれど、吉田健一ってどのように読まれているのだろうか。吉田茂の長男という出自とは無縁の(言わなきゃもはや誰も知らない)、飄々としたエッセイ群に惹かれる人はもはや一部のグルメぐらいなのかもしれない。あとは彼の文学を研究する人々は今後も出てくるかもしれない。あとは? まぁ、そんなことはどうでもよくて、吉田健一の作品は「読め」というような気合とは無縁の、酔っぱらってふらふら彷徨っているような作品だから、あるときにふと出会うような出会い方ができればそれが一番幸せなのではないか。

ユリイカ2006年10月号 特集=吉田健一 「常識」のダンディズム

ユリイカ2006年10月号 特集=吉田健一 「常識」のダンディズム