パオロ・マッツァリーノ『反社会学講座』、西山昭彦『企業内プロフェッショナルの時代』

パオロ・マッツァリーノ反社会学講座』(イースト・プレス
おもしろい。社会学者たちがデータを活用して社会に対して恣意的な解釈を施すことを逆手に取り、データに基づき社会学的結論をおちょくるというコンセプト。もともとはWEB上で展開されていたもの。WEBサイトはこちら。率直に言って成功している章とそうでもない章があることは事実だが*1、特に前半は勉強になった。なってていいのかというつっこみはあるかもしれないけれど(笑)。
●西山昭彦『企業内プロフェッショナルの時代』(プレジデント社)
割と一般論的な話であって、全体的にはさほどおもしろくなかったが、日本型正真システムの部分についてメモ。
【日本型昇進システムが採用されてきた理由】
 ・入社後数年で昇進の道を閉ざすとモチベーションが維持できず、企業全体のアウトプットを最大化できない
 ・長期にわたる評価のために必然的に人事考課回数が多くなり、恣意的評価や誤りが少なくなる
 ・早期選別の場合、人選に相当のエネルギーとコストがかかるが、時間をかけてゆっくり選別すれば少なくてすむ
【日本型昇進システムの問題点】
 ・優秀なリーダーが育たない
 ・ある程度までは昇進するため、人材が中高位の資格に滞留し、ポスト不足によってさらに下位の者たちの昇進の壁となる
 ・35歳までなら転職市場もあるが、40代まで引っ張ると転職困難
しかし、本当にこれだけか?

*1:例えば、第17章の夏季限定首都機能移転論などは悪ふざけのための悪ふざけ(?)となっていて、たいしておもしろくない。やっぱある程度の信憑性がないとね。