いま聴いている音楽 KASABIAN

カサビアン / カサビアン
車の渋滞のために今年のサマソニで聞き逃して残念だったカサビアンサマソニの段階では紹介文を読んでおもしろそうだと思っていた程度だったのだが、MTVでたまたま耳にした彼らの音楽の不穏さに心が惹かれ、アルバムを購入。
「人里離れた小屋をアジトに共同生活をしている」という生活形態や、自分たちのことを「アメリカの新興宗教地区の古いカルト集団みたいなものさ」という発言には正直バカっぽさを感じないでもないのだが、カサビアンというバンド名が「チャールズ・マンソンの『ファミリー』の一員で、シャロン・テート事件に加わったリンダ・カサビアンからその名を取った」というあたり、まぁ確かに徹底してはいる(笑)。
だが、こうした特異なスタイルがカサビアンの音楽を作り出しているという感じはしない。彼らの音楽には、不穏さはあっても、カルト的な狂気は感じられないのだ。また、彼らの音楽にチャールズ・マンソンのアシッド・フォークとの接点などもありはしない。むしろ、一聴して分かるように彼らは、ストーン・ローゼスハッピー・マンデーズプライマル・スクリームあたりの系譜に連なるバンドであり、それらの不穏なグルーブ感をこそ受け継いでいる。そして、そうした継承の方がカルトなスタイルの継承などよりもはるかに大変なことなのだ。
カルト宗教的なライフスタイルや発言はどうでもよい。そんなものに捕らわれず、音楽そのものの強度をさらに高めることができれば、カサビアンはとんでもないバンドに成長するかもしれない。そんな期待を抱かせるだけのインパクトが彼らにはある。11月の来日公演もやはり見に行くべきかな…。

(追記)
ここカサビアンの曲が聴ける。やっぱりまずは1曲目のClub Footを。