ちゃんとした企画書が書けない理由

多くの企画書を見てきて常々思っていたのだが、企画書を書くことが下手な人は下記のような状態に陥っていることが多い。
■内容面
 ●与件に応えられていない
  何の提案が求められているのかを明確に理解できていない場合は意外に多い。だが、これは最悪だ。企画立案の第一歩は与件の整理であるという点を何よりも肝に銘じなければならない。
 ●事実と仮説/提案の区別が不明瞭
  企画提案とは事実に基づいて仮説/提案を行うことにほかならない。だが、企画書を読んでいると、どれが事実で、どれが仮説/提案なのかが分からないものも実に多い。これはおそらく頭のなかが整理できていないのだ。まずは基づくことのできる事実をきっちり明確化すること、次にその事実に基づいて仮説を組み立て、提案を行っていくことが必要だ。結局のところ、提案の前提となる事実を明確に挙げられるかどうかで、企画のクオリティが決定されると言っても過言ではない。補足になるが、上で述べた与件内容についても、どれが事実で、どれが先方担当者の思いなのかは明確に区別しておかないと混乱の元になる。
■形式面
 ●ページ毎に何が言いたいのかが不明瞭
  原則として、1ページで言いたいことはひとつ。逆に言えば、そのページで言おうとしていることを一言で言えない場合、まずは自分が混乱している可能性を疑うべきだ。
 ●ページ同士のつながりが不明瞭
  ページごとの内容が明確でも、ページ同士のつながりが不明瞭ならば、何が言いたいのか分からなくなる。企画書の基本的な構成は「与件の整理→現状分析(事実の列挙&課題抽出)→企画立案」しかないのだから、この流れに沿ってページとページをつなげていくことが必要だ。