今週末のライブを待ちながら

ビースティ・ボーイズ / イル・コミュニケーション
 やはりこのアルバムは最高に盛り上がる。最近のオールド・スクールなビースティーズを絶賛する人に限って、このアルバムの曲を馬鹿にする傾向があるがくだらない意見だ。ビースティーズの真骨頂は音楽の領域横断ぶりにあるのは明らかじゃないか。彼らにとってはトラディショナルなHipHopスタイルであってすら、ボキャブラリーのひとつに過ぎない。
 このアルバムの曲をHipHopグランジ/オルタナ系ロックをミックスした形が基本となっているなどと言ってしまえば、まぁ身も蓋もないところはあるのだが、しかしもちろんここに含まれている音楽はそれらだけに留まらない。そして、そんなことより何よりもこれら楽曲の圧倒的なクオリティの高さは誰の耳にも明らかなのだ。ほら、1曲目「シュア・ショット」のフルートの音色のループが聴こえてきただけで、どうしようもなく心が高鳴ってくるじゃない。
 そして何だかんだ言って、「サボタージュ」なんてぜひまたライブで聴きたいと思う。そう、昨年のサマソニでは「サボタージュ」は演奏されなかったのだ。思い出せば、アルバム『インターギャラクティック』のツアーの時にダイアモンドホールで行われたライブは、後日のビースティーズのインタビューによれば、彼ら自身が「アサリの酒蒸し」と呼んでいるタイプの(笑)、死にそうなぐらいにすし詰め状態の超満員ライブだったのだが、その時のアンコールで「サボタージュ」が演奏されたときの衝撃は今でも忘れられない。密集状態のなか、命の危険すら覚えるほどのモッシュ&ダイブの嵐。。。会場全体が液状化現象を起こし、我を失い、我が失われ…