NHKの内部告発について1

 いくつかのざっとサイトを見てみたら、内容改変前のもともとの番組内容が偏向していたという前提でNHKを批判しているものが予想外に多くて驚いた。あるいは、1日前に会ったのでは改変できないだのといった不可思議な意見も見られた(1日あればかなりの仕事はできるので、不可能さの証明にはならない。例えば忙しく仕事をしたことがある人ならば、1日で仕事ができないという意見を聞けば、普通に違和感を感じるのではないか)。これはすべて問題のすり替えだ。意図してかしていないかは知らないが、内容についての個人的思い入れが入り込んでいるために、今回の問題についての議論は大きく混乱してしまっている。
 まずは、「中川、安倍両氏による政治的圧力の有無」と「その結果としての内容改変の有無」を区別しなければならない。前者は政治家の責任に関わり、後者はNHKの責任に関わる。問題の焦点はあくまでも前者にある。そして、この点については今後の調査を期待するし、もし事実であれば、彼らの責任は問われるべきだ。後者についても同様。NHKの責任は明確化すべきだと思う。
 今回の最も重要な問題は上記に尽きている。そのため、これら以外に下手に話を拡大すれば混乱するだけだ。一方で取材先からNHKが訴えられているという問題もあるが、これを政治家の問題とごちゃごちゃにすると話がややこしくなる。