飛浩隆/象られた力/ハヤカワ文庫

 僕は実はSFファンというほどの読者ではないので、今回、飛浩隆の小説を初めて読んだのだが、思った以上におもしろかった。この短編集を読む限り、彼の小説は世界の構造についての眼差しに貫かれている。つまり、この世の中の諸現象を象っている力のありようを小説の基本的モチーフとしている。やはり一番面白かったのは表題作の「象られた力」であり、失われた星における図形言語というアイデアは秀逸だ。後半のカタストロフィの盛り上がりもグッド。
 作者については、この「はてな」のなかにブログを開いてもいるので、そちらも参照。
 
早起き三文SF作家 飛浩隆のweb録
http://d.hatena.ne.jp/TOBI/