ウェス・アンダーソン / 天才マックスの世界

 『ロイヤル・テネンバウム』の鬼才ウェス・アンダーソンの佳作。特に何がおもしろいという訳ではないのだが、微妙なユーモアが堪らなく良い感じ。例えば、画面の奥のほうで小さく、ビル・マーレーが走って逃げているような演出につい神経が緩んでしまう。
 サービス満点な映画などではない。おそらく監督はすべてを理解させようと思ってはいない。そうであるがゆえに観客はそれぞれ思い思いのところで笑っていたりする、そんな映画。主人公マックス自身がマイペースな妄想系なのだから、観客もそれでいいのだ。
 

天才マックスの世界 [DVD]

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