ニティン・ソーニー / プロフェシー

 イギリスの植民地政策はイギリス本土国内に多くの移民を抱えることにもなった。インド系イギリス人ニティン・ソーニーの5thアルバム。研ぎ澄まされた歌詞といい、国境横断的で自由闊達な楽曲といい、傑作の名に相応しい。
 ボスニア空爆のニュースで始まり、ネルソン・マンデラの"We are free to free(我々は自由になる自由がある)"という言葉がサンプリングされ、アラブ風の旋律と静かなドラムンベースへが絡み合う8曲目「ブリージング・ライト」など、収録されているのは忘れがたい曲ばかりだ。
 6曲目、13曲目のシカゴのタクシードライバー、ジェフ・ジェイコブスが語る「ストリート・グル」と題される作品も忘れがたい。「そのうちテクノロジーに対する反動が起きると思うんだ…」
 ここにあるのはR・B・ボースが予想もしなかったような音楽だ。だが、彼に聴かせてみたかったと思う。彼は大喜びしたのではないだろうか。
 ニティンについては、2005年2月19日のエントリも参照。
 

プロフェシー

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