Musical Baton

 あちらこちらのブログで見かけていたのでMusical Batonというプロジェクトが走っているということには気づいていたのだけれど、まさか自分にバトンが回ってくるとは思わなかった。しかもなんと面識のない方から。選んでいただいた理由も振るっていて、なんとubartmarに言及したことがあるから(笑)。
 >id:nave911さん、バトンをありがたく受け取らせていただきます。僕の音楽の嗜好では、このMusical Batonの質問に対する回答としては、テクノやサイケデリック・トランスやエレクトロニカなどのジャンルの音楽は出てこないので、nave911さんのご期待に添えないのではという点が気がかりではありますが…。
 
 
●コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量
 CD10枚分ぐらい。ご多分に漏れずポータブル・オーディオ機器に落とすために入れたものであり、僕はPC上ではほとんど音楽を聴かない。他にはジンギスカンの「めざせモスクワ」の実写ビデオや(笑)、"Karma Police"+"A Day in the Life"の「Karma in the life」などの音源が少々あるけれど、この手のものも非常に少ないと思う。
 
 
●今聞いている曲
 ○ニック・ケイヴ / ファラウェイ・ソー・クロース!
 ヴェンダースの傑作『ベルリン 天使の詩』の続編『ファラウェイ・ソー・クロース!』のサントラの1曲目。この時期のニック・ケイヴは本当にすばらしい。存在の無限の深みを声の質として固体化させているかのような生々しい歌声。抒情的なメロディのうえに異様な何ものかが乗っかっている。
 

ファラウェイ,ソー・クロース!

ファラウェイ,ソー・クロース!

 
 
●最後に買った CD
 ○ディノ・サルーシ&ヨン・クリステンセン / センデロス
 アルゼンチンはバンドネオン界の巨匠ディノ・サルーシ(今年70歳)とノルウェー・ジャズ・シーンの重鎮ドラマーであるヨン・クリステンセン(今年62歳)との初デュオ。即興ライヴ。瞑想的なそのサウンドはいかにもECM的だが、沈黙それ自体が音楽の重要な要素として存在感を示す特有のサウンドはやはりすばらしい。モノクロームの世界がゆっくりと広がる。
 
センデロス

センデロス

 
 ○竹田恵子 / ぼくは12歳
 ○高橋悠治佐藤允彦 /
 これら2つは高橋悠治関連という理由で購入したのだが、実はどちらもまだ未聴。
 前者は作曲とピアノを高橋が担当。12歳で死を選んだ岡真史が残した詩に高橋悠治が音楽をつけたものを竹田恵子が歌っている*1。竹田恵子のアルバムでは『ブレヒトソングを歌う』がよかったので、今作も非常に楽しみにしている。
 後者は「日本におけるシンセサイザーを使った最初期の即興作品として知られた名盤」らしいが、未聴なのでなんとも言えない。
 
※竹田恵子は「はまぞう」で出てこなかったので、データはなし。
サマルカンド

サマルカンド

 
 
●よく聞く、または特別な思い入れのある 5 曲
 ○ボブ・マーレー / ナチュラル・ミスティック
 特にボブ・マーレーが亡くなる直前のラストライヴを録音した『ワン・デイ・オブ・ボブ・マーレー』の演奏が忘れられない。このときのボブは既に自分の死期がすぐそこまで近づいていることを知っている。「さらに多くの人が苦しみ、さらに多くの人が死んでいくだろう。なぜかなんて僕に聞かないでくれ。自然の神秘が空気に乗って漂ってくる…」
 
ワン・デイ・オブ・ボブ・マーリ

ワン・デイ・オブ・ボブ・マーリ

 
 ○パール・ジャム / クレイジー・マリー
 パール・ジャムによるヴィクトリア・ウィリアムスの曲のカバー。ヴィクトリア・ウィリアムス支援のベネフィット・アルバム『スウィート・リリーフ』に収録。ある夜の幻想的な夢から翌朝の冷酷な現実へと至る後半が圧巻。「そう、時には最も恐れているものと道半ばで出会ってしまうことがあるんだ…」 エディ・ヴェダーが最高のボーカル・パフォーマンスを披露していて本当に泣ける。淡々とした歌声が堪らない。
 
Sweet Relief: A Benefit For Victoria Williams

Sweet Relief: A Benefit For Victoria Williams

 
 ○ヴィクトリア・ウィリアムス / センチュリー・プラント
 実は僕はヴィクトリア・ウィリアムスの大ファンで、この曲が入っている3rdアルバム『ルース』は1000回以上聴いた。いまでも時々、聴き返す。「もし君が外に出て、ゲームを始めたいと思うのなら、それは決して遅すぎたりはしないよ…」 落ち込んだときに元気付けられる一曲。
 
Loose

Loose

 
 ○ロバート・ワイアット / シップ・ビルディング
 ご存知フォークランド紛争時の反戦ソング。2004年10月19日のエントリで触れたので詳細はそちらを参照。
 
ヒズ・グレイテスト・ミッシーズ ~ロバート・ワイアット30年の軌跡

ヒズ・グレイテスト・ミッシーズ ~ロバート・ワイアット30年の軌跡

 
 ○マウリツィオ・ポリーニ / 「ペトルーシュカ」からの3楽章 (ストラヴィンスキー作曲)
 現代音楽の古典として定番中の定番。ひねりがなくて恐縮だが、やはりポリーニのこの演奏を初めて聴いたときの衝撃は圧倒的だった。次元が全く異なる演奏というものがこの世の中に存在しているということを思い知らされる。
 
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章

ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章

 
 
●バトンを渡す 5 名
 あまりWEB上でバトンを回せるような知り合いがいないので、これは無理。知らない人に振るにしても、ざっと見る限りでは既に大概の人にバトンは回っている…。
 
 

*1:アルバム『ぼくは12歳』は中山千夏が歌っているバージョンも昨年発売されている。