ペドロ・アルモドバル / バッド・エデュケーション

 アルモドバル流フィルム・ノワール。だが、フィルム・ノワールのジャンルの規則をアルモドバル流の展開している点よりも、役者の圧倒的な存在感を見せ付ける見事な演出がすばらしい。主人公のふたり以上に、マノロ神父役のダニエル・ヒメネス・カチョや編集者ベレングエル氏役のルイス・オマール。前者は神父でありつつもどうしようもなく少年に惹かれていくのだが、気弱さとずるさを見事に演じている。後者はそのマノロ神父が教会を辞めた後の姿であり、何度も咳き込む姿が画面上に不気味な雰囲気を漂わせ、その存在感を見せ付ける。
 
 ※元の文章の1/4ぐらい。特にフィルム・ノワールに関する具体例を挙げながらの記述を省略。