廣末好彦 / リクルート式燃える営業マンの作り方

 リクルートという企業が組織運営に心理学を活用している点を中心に記述した本。だが、電話一本で社長にまでつないでもらう手法など、営業に関する細かなノウハウを方法化して実践しているリクルートはやはり普通ではない企業だ。
 一番驚いたのはフィードバック・ミーティング。リクルートはこれを定期的に実施しているらしいのだが、ただ事ではない。これは要するに、当人に対して周りの人がどう思っているのかを本人に向かって率直に言い合うミーティングなのだが、かなり手厳しい意見をまわりから言われることになる。「あなたと同行していて、熱心で可愛い人だなぁって抱きしめたくなるようなことは一度もなかった」「なんで自分の未熟さを棚に上げて、会社に戻ってきてから相手の社長をタコなどと呼ぶのか」「お客様の前で言えないことを会社に戻ってきて言われても、聞かされている方がなんて答えれば満足するのか」…。
 あくまで当人を鍛えるためではあるものの、こんなことまでしているのだから、リクルート社員が筋金入りのメンタル・タフネスを誇っている点にも納得。
 

リクルート式 燃える営業マンのつくり方

リクルート式 燃える営業マンのつくり方