クロード・シモン

 朝日新聞夕刊に蓮実重彦クロード・シモンの追悼文を書いているのを読んで、この偉大な小説家が亡くなっていたことを初めて知った。言葉が言葉を引き寄せていくかのような彼の小説は、小説を真剣に読もうと思ったことがある者なら誰でも一度はチャレンジしたはずだ。あるいは、朝日新聞紙上での大江健三郎と論争(?)し、フランスの核兵器保有を擁護する主張をしていたことで覚えている人もいるかもしれない。いずれにしても彼の小説を誰もが一度は読んでみるべきだ。一冊とは言わない。一文だけでも。日本は不思議なことに彼の小説がそれなりに読める状況にはあるのだから。そして、その状況がいつまで続くかは分からないのだから。