フィリップ・グラス / ソロピアノ

 カフカの変身をモチーフにした作品。久しぶりに聴きなおす。いつも思うのだが、カフカの小説からインスパイアされたにしては妙に感傷的に過ぎ、聴き易すぎる。カフカをどう読めばこうなるのだろうか。ピアノの音色の反復が感傷性をひたすら累積させていく。
 カフカの散文性に拮抗するには、せめて高橋悠治の「可不可」やクルターグの「カフカ・フラグメンツ」ぐらいの水準は必要なのではないか。