Quiet Hill Festival @静岡県浜北森林公園 2006/08/19/Sat.

 突如、初参戦を決めたQuiet Hill Festival。非常に素晴らしかった! 夏はどうもロックフェスが中心になりがちなので、この手のフェスに参加すると新鮮な気持ちになる。
 到着したときにやっていたのはFlying Rhythmsストラーダの強力ドラマー久下恵生(ドラムス、Eパッド)×セネガル出身のパーカッショニスト、ラティール・シー(ジャンベ、コンガ、カフォン、ボイス)×日本のマッド・プロフェッサーこと内田直之(ミックス、ダブ・ミックス)。強力なリズム隊のダブミックス。ただし、猛暑&睡眠不足&運転疲れ&満腹感のために、またり昼寝…。もったいない。
 ハッと起きたのは、OKI & Dub Ainu Bandが始まったから。アイヌの弦楽器トンコリを駆使するOKIは今回の目当ての一つだ。アルバムで注目を集めているとは言っても、やはり山中で生トンコリを聴くとその美しさは格別だ。箏とギターの中間のような音色が静かに響きわたる。アイヌ語の不思議な響きもひと時、暑さを忘れさせてくれる。
 大阪出身の在日コリアン3世の、ちみん。力を抜きゆっくりと歌う歌声。韓国語と日本語の両方で歌われた「イムジン河」の美しいメロディがいまでも耳に残る。ちみん自身、歌いながら感極まっていた。
 そして、GOMA & JUNGLE RHYTHM SECTION。我らがディジュリデュ・マスター、GOMAサウンドは相変わらず強力だ。と言うよりも、さらに強力になっている。しかも、今回はMIXを内田直之が担当。これで盛り上がらない訳がない。GOMAドラムンベースならぬドラムンディジュとでも言うべき独自のダンスミュージックを開拓していると言っていいのではないか。ディジュの持続がリズム隊によって分節化されるにつれて、音の力動がどんどん高まっていく。無数の蟲が体内を駆け巡り、脳内を攪乱する。くたくたに疲れるまで踊る。確信したのはGOMAサウンドは野外にこそ相応しいということだ。ディジュリデュの内側に残されているアボリジニの記憶の痕跡? いや、ロマンチックな夢想は置いておこう。この生々しい音そのものこそが快楽の源に他ならない。
  疲れきったので、こやまよしこ(元ネーネーズ)とmasahaのユニット「HANAUTA」も、Litttle Tempoの土生”TICO”剛×ブレスマークの二羽高次による「たけしこうじ」も見ずに帰る。我ながらヘタレすぎ。しかし、大満足のイベントだった。
 
Quiet Hill Festivalオフィシャル
http://yuruli.com/qhf/