イーヴォ・ポゴレリッチ@サントリーホール 2007/01/12/Fri.

 ほぼ1年ぶりのポゴレリッチ。前回同様、直前になった演目が変更され次の通り(前回については、これを参照)。

 ベートーヴェン
  ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111
  バガテル『エリーゼのために』 イ短調 WoO59
  ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78 「テレーゼ」
 グラナドス
  スペイン舞曲集 op.37から第5番、第10番、第12番
 リスト
  『超絶技巧練習曲集』から第5番 変ロ長調 「鬼火」、第8番 ハ短調 「狩り」、第10番 ヘ短調
 バラキレフ
  イスラメイ(東洋風幻想曲)
 
アンコール
 ショパン
  ノクターン op. 62-2

 アンコールのノクターンは前回の公演でもやったはず。と言うか、今回のベートーヴェンの32番や24番、リスト「超絶技巧練習曲集」より5番、10番は前回の直前のプログラム変更で消えたものだったので、ついに公開というところだろうか。
 全体的な異様感は演奏が慣れてきたせいか前回ほどではないのだが、率直に言って、ポゴレリッチのベートーヴェンは微妙…。音の極端な大小が単調に響いて仕方がなかった。「エリーゼのために」なんて適当に弾いているとしか…。
 しかし、グラナドス、リスト、バラキレフの、ハードロックかと思うほどの迫力はさすがに何ものかではあるのだ。
 ただし、もっとも堪能したのはやはりアンコールのノクターンだ。消え入りそうな1音の響きを最後の最後まで聞かせることから生じる緊張感は忘れがたい。