新卒採用面接の感想

 去年、面接の感想を書いてからもう一年か…。ま、それはともかく、思いついたことを箇条書き風に。
●全体的に資格をいろいろと取っている人が多い(特にマイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)。そういうので選ばれるということはないとは思うが、同じような評価の人が並んだ場合には加点要素ではあるかもしれない。
●志望動機などはどれも同じすぎ。他の志願者との差別化戦略が不十分なので、聞くだけ時間の無駄なので、途中からは止めた。
●大学でやってきたことは、もっと事前に考えて整理しておいたほうがよい。例えば、せっかくおもしろいエピソードを持っている人であっても、そのエピソードから導き出される結論が決まって平凡なのは何故なのか。おもしろいエピソードの意味がない。
●客観的に見て、女性のほうが優秀。まずコミュニケーション能力が段違い。突っ込みを入れていったときの返しなど、相手との関係をうまく構築しようと自然に反応できている。男性は自分の意見を首尾一貫させようという判断が先に来がちで、相手のことまで考える余裕がないことが多い。このあたりの子供っぽさは大学でのライフスタイルの差に起因しているのだろう。
●そう言えば、別エリアの面接担当者とたまたま話をしたときに、「御社の利益率は○%ですが、この利益率は業界の構造的な要因に起因するのでしょうか?」とかなんとか質問してきた学生がいたらしい。面接担当官が僕でなくてよかったね。「自分は事前に勉強していて優秀な学生なんだ」とアピールしたいのならば、上記のような質問に対しては答えまで調べておくべきだ。知ったかぶりは火傷のもと。中途半端な知ったかぶり君に対しては、僕なら質問攻めで返していたと思う(笑)。もちろん、この質問攻めを無事に乗り切ったのなら、喜んで次のステップに進ませるが、よほどの実力があるのでなければリスキーなのでお勧めしない。こういうところがコミュニケーション能力の低さで、相手がその発言を聞いてどのように返して来るのかに関する予測が甘い。素直に感心して、黙って受け入れてくれるだろうと疑っていないところが子供っぽいのだ。
●コミュニケーション能力と関連するが、「今後の抱負」などを語る際に、無意味に自信たっぷりであることを演出するのは男性に多い。だが、バカに見えるから止めた方が良い。「自分は本当に自信がある」「自分には確実に能力がある」などの恐るべき単純な言葉は、そこに至るまでの段階で裏づけをうまく語れていなければ何の説得力もないし、語れていればそんなことは言う必要がない。
●あれこれ偉そうなことを書いたが、大学生は大変だなとは思う。中途採用の場合、「自分がどのような仕事をやってきて、どれだけ御社に役立つ人間か」ということを、実績中心にアピールしていけばいいが(逆に言えば、それしかできないが)、新卒の場合、「自分は役に立つ」と語れるだけの実績が何もない。なので、大学生活のなかから「こいつは役に立ちそうだ」と判断してもらえそうなネタを探し出し、アピールするほかない。つまり、大学生が何よりもやるべきなのは、自分の大学生活の徹底的な洗い出しなのだ*1
 

*1:津田久資なら「自分は役に立つ」という主張は、「自分には能力がある」と「自分は御社に合っている」の2点に分解できると言うだろう。

v.a. / メデフ 〜サハラ、いにしえの唄〜

 砂漠のブルースと呼ばれるジャンルの真の傑作。メデフとは預言者ムハンマド賛歌のこと。前につんのめるようなパーカッションのリズムはシンプルでありながらも複雑な印象を与え、それに合わせる女性ボーカルは体内から吐き出される空気が喉と舌とによって激烈な変容を遂げ、人ならざる声となって天に向かって響きわたる。
 なぜこんなにもスリリングなのだろうか。最果ての地で奏でられる音楽は人を超え、力強く、美しい。
 

メデフ(サハラ、いにしえの唄)

メデフ(サハラ、いにしえの唄)