『新現実』vol.3大塚英志編集(角川書店)

表紙のおたく絵(ベッドの上に寝転がったままのミニスカート姿の幼女が、漫画を手に持ちながらこちらを振り返っている)が何とも言えないが、一ページめくれば非常に硬派な論壇誌になっている。とりあえず日本共産党委員長志位和夫へのインタビューを読んだ。
とにかく志位の非常にムカつく話しぶりが印象的だ。相変わらず自分たちの正しさだけを言い募る日共の傲慢さがあまりにも鼻につく。なぜこんなにムカつく言い方しかできないのかはほとんど不思議ちゃんの領域だ。
例えば、彼による「あなた」という二人称の呼びかけ方は独善ぶりを絶妙に演出している。「あなた」という呼びかけ方は、確かに政治家によく使われる言葉ではあるのだが、相手とのあいだに何らかの関係を作り上げていくというよりは、自分と相手との違いや距離をこそ強調するような呼びかけ方である。そのため、自分たちの正当性を言い募りながら「あなたが」「あなたが」と話すのを読むと、自分たちとそれ以外とを厳格に区別し、自分たち以外のものたちを裁いているかのように響いてくる。
発言内容としても、共産党から「脱落した人々の立場は歴史に裁かれたということは否定できない」っていうのはなかなかすごい発言だし、「トヨタのトップが全部を差配するような生産の管理、運営のシステム自体に儲け第一主義、利潤第一主義という問題の根源がある」っていう認識もかなり前衛的だと思う(笑)。
この息苦しさについていける人ってなかなかいないと思うんですが…。まぁ確かに余計な心配ではある。