いま聴いている音楽 Jose Afonso

Jose Afonso / Cantigas Do Maio
2004年6月30日の日記でジョゼ・アフォンソについて触れたので、久しぶりに聴きなおしてみることに。
このアルバムの5曲目に収録されている"Grandla, Vila Morena"。1974年4月25日にラジオで流されたこの曲が合図となって無血革命*1、通称カーネーション革命*2が始まった。その結果、30年以上にも亘ったサラザール独裁政権は倒壊することになる。
ジョゼ・アフォンソはサラザール政権下において何度も投獄されながらも、歌を通じて抵抗し続けた。その意味で、2004年6月7日の日記で少しだけ触れたチリのビクトル・ハラと印象が重なる。
30秒程度で短いが"Grandla, Vila Morena"はここで聴くことができる。グランドラの人たちの友愛を歌った歌。ポルトガル語は分からないため、具体的な歌詞の意味は分からないのだが、小石を踏みしめて歩く足音だけをバックに歌われるこの歌の集中度はかなりのものであり、聞き流すことを拒む緊張感が漲っている。歴史的な重みを担うに相応しい名曲。

*1:厳密には政府軍は降伏する前に4人を殺したため、完全な無血というわけではないらしい。

*2:革命後の数日のあいだ、革命のシンボルとして街中で銃にカーネーションが飾られたことからこう呼ばれている。