少々冗長なプライシング解説本

 
 ●青木淳『プライシング』(ダイヤモンド社
 
 その名のとおりプライシングに関する解説書。値付けというのはマーケティングにおいてかなり重要性の高いテーマだが、この書物が最良の解説書というわけではないな。コストに利益を上乗せするプライシングや、単純に利益を最大化しようとするプライシングはダメダメ。要するに、消費者に対してどのようなバリューが提供できるのかにのみ注目し、そのバリューに対する消費者の値ごろ感はいくらぐらいなのかと考えるプライシングをするべきだという内容。ま、ごもっとも。これだけの内容だとは言わないし、決して悪書でもないのだが、いくらなんでも冗長。しかも単純な内容を語るにはもっと文章もシンプルにすべきだと思う。
 ちなみにこの青木淳も元建築家だが、ルイ・ヴィトンの店舗(名古屋の栄にもあるが、あのモワレのような感覚を引き起こす建築は見事だ)などで有名な建築家の青木淳とは別人だと思う。確認はとっていないけれど。