ジョン・カーペンター / ゴースト・オブ・マーズ

 評判通りの傑作。ジャンル的にはアクションSF映画と言って良いと思うが、いわゆるハリウッドの大作映画と比較すると、あるいはしょぼく見える人がいるかもしれない。CGもほとんど使われていない。
 だが、無駄のない演出とはこの映画の演出を指す言葉だ。もったいぶった思わせぶりなど皆無であり、驚くべき出来事はすべて当たり前のようにあっけらかんと訪れる。無駄なものを見なくてすむということこそが真の贅沢であることを僕らはもっと学ぶ必要があるのかもしれない。