小池和夫(作)池上遼一(画) / 赤い鳩 第1〜3巻

 幕末を舞台に、元新撰組隊士の馬庭実行がオランダ人宣教師等とともに、日本人の祖先が果たして古代ユダヤ人なのかどうかを突き止めようと旅をしていく伝奇漫画。そこに146年後のハルマゲドンにおける日本とイスラエルの連合を阻もうと、北の国や南の国から送り込まれてくる刺客との戦いが物語に組み込まれていく。
 日本書紀旧約聖書の類似性、ヘブライ語と日本語の類似性を次々と出してくるなど、なかなかおもしろい。もちろん僕はそれらに詳しくないので、真偽のほどは確かめてはいないのだ。漫画で言うならば、中上健二原作の漫画『南回帰線』の荒唐無稽さに近いと言えるが、あるいは半村良偽史もの伝奇小説の影響が強いのではないか。僕はこの手の話が嫌いではない。

赤い鳩 第1巻―アピル (キングシリーズ)

赤い鳩 第1巻―アピル (キングシリーズ)

赤い鳩 第2巻―アピル (キングシリーズ)

赤い鳩 第2巻―アピル (キングシリーズ)

赤い鳩 第3巻―アピル (キングシリーズ)

赤い鳩 第3巻―アピル (キングシリーズ)